退職代行の公式サイトを見ると、「即日対応」「今日から出社不要」「すぐに退職できる」といった表現を見かけることがあります。仕事がつらく、明日から会社へ行きたくない人にとって魅力的な言葉ですが、「即日対応」と「即日退職」は同じ意味ではありません。違いを理解せずに申し込むと、希望していた状況と実際の手続きに差が生まれる可能性があります。
即日対応とは、相談や申し込みをした当日中に、退職代行が会社へ連絡することを指す場合が一般的です。朝に相談して支払いと必要情報の確認が終われば、その日のうちに勤務先へ退職意思を伝えてもらえることがあります。ただし、受付時間や担当者の混雑状況、会社側の営業時間によっては、翌営業日の連絡になる場合もあります。
一方の即日退職は、退職日そのものが当日になることを意味します。実際の退職日は、雇用形態、就業規則、会社とのやり取り、本人の状況などによって変わります。そのため、「連絡したその日に必ず雇用関係が終了する」と一律に考えるのは避けた方がよいでしょう。
また、「今日から出社しなくてよい」という状態と、正式な退職日が同じ日になることも別の話です。退職の意思を伝えたあと、有給休暇の取得や欠勤などを経て、後日正式な退職日を迎えるケースもあります。申し込み前には、希望する退職日だけでなく、会社へ行けない理由や残っている有給休暇の日数なども担当者へ伝えましょう。
即日の対応を希望する場合は、早い時間帯に相談し、必要な情報をあらかじめ準備しておくと進みやすくなります。会社名、所属部署、連絡先、雇用形態、入社日、希望退職日、直属の上司、貸与品の有無などをまとめておくとよいでしょう。支払い方法によって入金確認まで時間がかかる場合もあるため、対応開始の条件も確認します。
「即日」と表示されているサービスを比較するときは、何が即日なのかを具体的に質問することが重要です。相談への返信が即日なのか、会社への連絡が即日なのか、出社せずに済む可能性があるのか、退職日まで含めて即日なのかを分けて確認しましょう。
仕事へ行くことが難しい状態では、急いで決めたくなるのも当然です。しかし、早さだけでサービスを選ぶと、料金やサポート内容を十分に確認できないことがあります。運営元、追加費用、対応時間、会社から本人へ連絡が来た場合の対応、退職後の書類サポートなども確認し、説明に納得してから依頼することが大切です。
即日対応を希望している人は、サービスの営業時間も確認しておきましょう。24時間相談を受け付けていても、会社への電話連絡を24時間行うとは限りません。夜間に申し込んだ場合、受付だけが完了し、勤務先への連絡は翌朝になることもあります。「今相談できる」ことと「今すぐ会社へ連絡できる」ことを分けて考える必要があります。
会社への連絡前に、本人が欠勤連絡を入れるべきか迷う場合もあります。これは依頼する時刻や勤務開始時間によって異なるため、担当者へ確認しましょう。連絡が間に合わないと無断欠勤として扱われる可能性があるため、何時までに手続きを終えればよいかを具体的に聞くと安心です。
即日で動いてもらう場合でも、退職届や貸与品は後日郵送することになります。制服をクリーニングする必要があるのか、会社のパソコンや鍵をどこへ送るのかなどを確認し、慌てて処分しないようにしましょう。
また、退職後の生活費や転職活動についても考えておく必要があります。即日で出社しなくなると、次の給与日までの資金や健康保険の切り替えなどが気になることがあります。退職の手続きだけでなく、退職後一か月程度の予定を簡単に立てておくと、気持ちに余裕が生まれます。
